原子力・放射線のはなし

原子力放射線関連のことをつらつらと

高浜原発延長申請期間18年129日の謎…のはなし

こんばんは、なななっつです。

先日は高浜原発延長申請の法律的根拠のはなしを書きました。

atomicradiation.hatenablog.com

この記事を書く際に延長申請に関する資料を読んでいたのですが、その資料の中に、

 申請において、関西電力は延長しようとする運転期間を、運転の期間が満了する日(平成28年7月7日)の翌日から起算して、1号炉は18年129日(2034年11月13日まで)、2号炉は19年129日(2035年11月13日まで)としている。

https://www.nsr.go.jp/data/000154047.pdf

 とあって、18年129日とかめっちゃ中途半端やなwと思いました。

まあこれにはちゃんと理由があって高浜原発初臨界が1974年なのでちょうど60年後が2034年なわけですね。

前の記事で古い原発は40年ルールが平成28年7月まで猶予されると書きましたが、結局のところ原発は60年を超えて運転はできないわけです。

今回はこの延長申請の根拠について調べてみたいと思います☆

法令の確認 

 

 原発の運転の期間に関する法律は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 第四十三条の三の三十二 に書いてあると前回の記事でも述べました。

この3項目に、

3  前項の規定により延長する期間は、二十年を超えない期間であつて政令で定める期間を超えることができない。  

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律

 とあります。また政令です笑

なので原子力の政令を探しますと、

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令の第二十条の六に

第二十条の六   法第四十三条の三の三十二第三項 に規定する政令で定める期間は、二十年とする。ただし、原子力規制委員会設置法 (平成二十四年法律第四十七号)附則第二十五条第二項 の規定の適用を受ける既設発電用原子炉(同条第一項 に規定する既設発電用原子炉をいう。以下この条において同じ。)については、五十七年から当該既設発電用原子炉の設置の工事について最初に原子力規制委員会設置法 附則第四十一条 の規定による改正前の電気事業法 (昭和三十九年法律第百七十号)第四十九条第一項 の検査に合格した日から起算して原子力規制委員会設置法 附則第一条第四号 に掲げる規定の施行の日の前日までの期間を控除した期間とする。

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令

 …あいかわらずややこしいですね笑

政令から計算

前の記事から

  • 原子力規制委員会設置法 (平成二十四年法律第四十七号)附則第二十五条第二項 の規定の適用を受ける既設発電用原子炉=平成25年7月8日に37年経過している原発
  • 原子力規制委員会設置法 附則第四十一条 の規定による改正前の電気事業法 (昭和三十九年法律第百七十号)第四十九条第一項 の検査=使用前検査
  • 原子力規制委員会設置法 附則第一条第四号 に掲げる規定の施行の日の前日=平成25年7月7日

ということは調べました。

したがってややこしいので上の政令を式にしますと

平成25年7月8日に37年経過している原発

(57年ー(平成25年7月7日ー原発運転開始日)

となるわけです。

これを高浜原発にあてはめますと、

(57年ー(2013年7月7日ー1974年11月14日)

となるわけです!!

計算してみますと…

2013年7月7日ー1974年11月14日=38年236日

これを57年から引くと…

57年ー38年236日=

18年129日

となるわけです!!

まとめ

18年129日の根拠は分かりましたが相変わらずややこしいですね笑

延長できるのは使用検査から60年の日までとかでいいじゃん☆